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いまでこそ、わたしは「睡眠時無呼吸症候群」に悩む多くの方に、
克服方法をアドバイスできるようになりましたが、
実のところ、ほんの数年前まで
わたしも多数の方々と同じような「ドツボ」にハマっておりました。
「朝起きても眠った気がしない」
「まだ睡眠が足りないのだろうか?」
「それにしてはおかしい。時間的には充分なはずなのに・・・」
「日中はつねに眠い」
「疲れきってしまって、必要最低限のことにしか手をつけたくない」
「もはや、大量のカフェイン抜きでは生活ができない」
「思いきり濃くいれたコーヒーでなんとか覚醒を保っている」
「会社が終わっても『寄り道』ひとつする気力がない」
「自宅へ一目散にむかう日々・・・」
「早く帰って、ただひたすら眠りたい」
・・・・・・・・・。
・・・・・・。
そのような、いわば半死半生のような状態に陥っていたのです。
ほんの2年ほど前までは・・・。

そもそもの始まりは、今をさかのぼること数年前、
妻から起床時に言われたひと言です。
「寝てるとき、息、とまってたよ」
そう言われたとき、正直『この自分に限って』と思ったことを憶えています。
睡眠時にときどき息が停止する。
それが何を意味するのか、わたしとしても知らないわけではありませんでした。
そうです。
そのころ巷で話題になっていた睡眠時無呼吸症候群
(SAS:Sleep Apnea Syndrome)です。
この自分が、あの「睡眠時無呼吸症候群」の患者だとは・・・。
世間では睡眠時の無呼吸症が原因と推察される新幹線の事故が起こるなど、
その問題がマスコミでも注目されはじめていた頃でした。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは何か。
また、一般に言われている治療法にはどんなものがあるのか。
ここでは詳しい説明は行ないません。
このホームページをご覧になっている方の大半が、すでにSASについてひととおりの知識をお持ちになっていると思うからです。
むしろ「耳にタコ」の方も多いのではないでしょうか。
ここでは、睡眠時無呼吸症候群について基本的な知識をお持ちである、ということを前提に話を進めさせていただきます。
(と言いながら別ページでごく基本的な内容を解説しております。「CPAPってなに? 聞いたことない」という段階の方はまずこちらをご参照ください。→[睡眠時無呼吸症候群とは])
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妻から指摘されるまでもなく、
実はそれ以前からずっと自覚はあったのです。
「もしや・・・」と思っていたのはたしかです。
日常のさまざまなことが睡眠時無呼吸症候群の「兆候」に
あてはまっていたからです。
睡眠時無呼吸症候群の辛さについては、みなさんもよくご存じのことでしょう。
わたしも症例も、とくに珍しいものではありませんでした。
まずは、日中の耐え難い眠気。
黙って座って、なにかを観たり聴いたりしていると知らぬうちに眠ってしまう。
映画、音楽コンサート、落語、スポーツ観戦、講演、セミナー、等々。
べつに退屈しているわけではないのに、突然眠りに落ちてしまう。
面白いと思っているのに、眠ってしまって、面白さのつづきが見られない。
(これは、はっきりいって残念です)
会社の会議では、いちども眠りに落ちないことのほうが珍しい。
自分では一瞬の眠りだとおもっていても、
実際には数秒間、
それとも数十秒間の居眠りだったのかもしれません。
(自覚では、まぶたを一瞬閉じただけと思っていたら、会議後同僚から「ずいぶん気持ちよさそうだったねぇ」と揶揄されたこともあります)
ある程度仕事に集中しているときはまだいいのですが、
ちょっと気を緩めると、時間帯に関係なく、すぐに睡魔に襲われる。
夕方退社するときなど、
会社を出る前にちょっと仮眠をとってから帰ろうかな、
と本気でおもったことも少なくありません。
映画館や、好きな寄席にも行く気にならない・・・。
それでも、どこかで「まさか」と思っておりました。
思おうとしていたのかもしれません。
眠いのは、仕事がハードで疲れているせい。
体力が回復するほど睡眠時間を確保できていないせい。
ここまで眠いのは単なる睡眠時間の不足のせいである、と・・・。
しかし身近な人間から「息が停まってる」と言われてしまっては
逃れようがありません。
それは妻からの「報告」である以上に、ある意味、神さまからの「宣告」、
・・・いや「烙印」でした。
おおげさに言えば失格の「烙印」。
やや自虐的かもしれませんが、おまえの呼吸機能には先天的な欠陥があると、
造化の神に引導を渡されたに等しかったのです。
無念でした。

無念といいながらも、しかし、光明がなかったわけではないのです。
「光明」というのは他でもありません。
睡眠時無呼吸症候群について調べれば、そこにかならず紹介されていると言ってもいい「CPAP療法」です。
装着したその夜から治療効果があり、
また使用した方々からも概ね好評のようです。
「朝の目覚めがすっきり」
「日中の眠気がなくなった」
なかには、CPAP装着して眠った翌朝は、
「まるで脳を取りかえたかのような爽快感がある」
「脳の曇りがひと晩で取れた」
という感想も見られました。それが「光明」の理由です。
恒常的といってもいい眠気に悩まされていたわたしは、是非ともその「脳を取りかえたような爽快感」を味わってみたくなり、自分が睡眠時無呼吸症候群であるという悩みよりも、一日も早くCPAPを使用してみたいという、その好奇心のほうが強くなっていったのです。
ネットで睡眠時無呼吸症候群の専門医を探し、まずは一晩だけ入院して本当に睡眠時無呼吸症候群であるのか、PSG(終夜睡眠ポリグラフ)による医学的な検査をし、その結果、CPAPのレンタルに保険が適用される中等度の症状だと診断され、CPAPを持って帰宅する。
そこまでの詳しい経緯については省略します。
ただ、冒頭で述べたとおり、かなりの期待とともにCPAPを持ち帰り、自宅で使用してみることにしたのです。
初日(初夜)の睡眠=使用時間は7時間。
どうなったか?
効果はありました。
残念ながら「脳を取りかえたような爽快感」までにはいたりませんでしたが、
少なくとも翌日、日中の眠気はありませんでした。
そのように効果を実感しながらも、ふた晩目、わたしは寝ている最中に、
耐えられずにCPAPを外してしまいました。
(使用時間は3時間)
これはあくまでわたしの個人的な感覚なのですが、一晩中、鼻にマスクを装着して寝ることには、どうしても耐えられなかったのです。
それから音です。
一晩中シューシューという音が呼吸に合わせて聞こえてくるのです。
たしかに微弱な音です。
これくらいの音なら気にならないという方も多いでしょう。
でも、わたしは気になってしかたがありませんでした。
それと、これを言ってしまうと身も蓋もないのですが、器械のフィルターを通した空気を吸いつづけることに、いわば生理的な違和感をおぼえてしまったのです。
そういった、装着にともなう肉体的・生理的な「違和感」に直面しただけではありません。
この「不自然な」器械をひと晩も欠かさず、一生にわたって使いつづけなければならない現実を思うと、ほとんど絶望的な気分になりました。
「本当にみんな、この器械を毎晩欠かさず使用しているのだろうか!??」
という疑問さえ湧き起こってきたほどです。
それでも・・・、
そのあとも思い出したように、「きょうこそ使って寝てみよう」と
マスクをあてて横になってはみるのですが、いつも真夜中に、
半ば無意識にはずしてしまう。
その繰り返しでした。
希望とともにレンタルで持ち帰ってから二ヶ月後。
わたしはCPAPの装着を完全にやめてしまいました。
専門医の定期検診の際、医師にCPAPの使用には耐えられない旨を伝え、
早々にレンタル契約も解除しました。
ただし、睡眠時無呼吸症候群の治療を諦めたわけではありません。
CPAP以外の治療法。
そう、スリープスプリント(マウスピース)療法です。
一般に「重症」「中等症」の場合はCPAP、「軽症」の場合はスリープスプリントが適用されます。
わたしの症状は、限りなく軽症に近い中等症でした。 |
CPAPと比較すると治療効果はやや落ちるかもしれない。
しかし、スリープスプリントでもそれなりの効果が望めると診断され、
さっそく専門の歯科医を紹介されました。
ここでもレントゲン検査をし、歯型をとってスリープスプリントをつくるまでの経緯は省略いたします。
結果を言えば、これも長続きはしませんでした。
(自己弁護ではなく、わたしはけっして『三日坊主」の性格ではないのですが・・・)
朝起きたときの口腔内の不快感はかろうじて我慢していましたが、やはり大きかったのは、スリープスプリントを装着してのPSG(終夜睡眠ポリグラフ)検査で、微弱な効果しか見られなかったことです。
もっと効果を出すためにはもっと下顎が前に出るように作り直す必要がありました。しかしそうすると顎関節への負担も大きくなります。
スリープスプリントは手軽な治療法でありますが、身体(顎関節)に不自然な状態を強いているという思いを払拭することができませんでした。
数ヶ月後、なんとなく歯茎と歯の調子が思わしくなくなったことをきっかけに、いつのまにか使用しなくなってしまっておりました。
それが、2004年の春のことです。
結局もとの生活に逆もどりです。
つねに「睡魔」と闘う生活に。
もし「今のご気分は?」と訊かれれば、
いつでもどこでも四六時中、「眠いです」と答えるしかない生活に・・・。
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